年末が近づくたびに、年賀状の準備に追われるのは毎年のことですよね。
近年では、多くの企業がコストやデジタル化の流れから年賀状じまいを進めています。
しかし、取引先や顧客に対して失礼のない方法で「年賀状じまい」を伝えるのは難しいと感じるかもしれません。
特に、ビジネスシーンでは関係性を大切にしなければならないため、どのようにお知らせすれば良いか迷いますよね。
誰もが気を使う場面だからこそ、丁寧な言い回しで感謝を伝えることがポイントです。
誤解なく、相手との信頼関係を保ちながら、スムーズに年賀状を廃止する方法を見つけたいところです。
今回は、年賀状廃止のお知らせに関する具体的な文例とともに、取引先に失礼のない伝え方を詳しくご紹介します!
年賀状じまいをお知らせするビジネス文例
企業が「年賀状廃止」を通知する際には、丁寧で誠実な言葉遣いが求められます。
特に、取引先や顧客に対して失礼のない文面を心掛けるようにしましょう。
ここでは、年賀状廃止を伝える際に使える基本的な文例と、感謝の気持ちを伝えるポイントについて解説します。
・基本的な通知文の例
・敬意を込めた表現のポイント
・丁寧な言い回しで感謝を伝える
ビジネスシーンで年賀状を廃止する場合、適切な文例を知っておくことで、円滑なコミュニケーションが可能になります。
基本的な「年賀状じまい」ビジネス向けの文例
まず、年賀状廃止の通知において重要なのは、廃止の理由を簡潔に伝えることです。
また、取引先との関係を引き続き大切にしたい旨を明確に示すことも大切です。
以下に、基本的な文例を紹介します。
拝啓
年末の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社におきましては、昨今のデジタル化の進展や環境配慮の観点から、誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状によるご挨拶を控えさせていただくこととなりました。
今後は、メール等のデジタル手段によりご挨拶をさせていただく所存でございますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
本来であれば、従来通りご挨拶を申し上げるべきところ、誠に恐縮ではございますが、これからも変わらぬご厚情を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
来年も引き続きご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
上記の文例は、基本的な構成として「廃止の理由」、「今後の対応」、「感謝の意」をバランスよく盛り込んでいます。
これにより、ビジネスの場においても丁寧で失礼のない印象を与えることができます。
拝啓
年の瀬も迫り、皆様にはますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
日頃より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
さて、弊社では、昨今の社会情勢や業務のデジタル化に伴い、誠に勝手ながら、来年以降の年賀状によるご挨拶を控えさせていただくこととなりました。
今後は、メールや他の方法でご挨拶をさせていただく所存でございます。何卒、これまでと変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
来年もより一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具
拝啓
師走の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社では、昨今の環境問題に対する配慮の一環として、紙媒体でのご挨拶を見直すことといたしました。誠に勝手ながら、本年をもって年賀状でのご挨拶を終了させていただきたく存じます。
今後は、メール等のデジタル手段でのご挨拶をさせていただきますが、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
来年も皆様と共にさらなる発展を目指し、邁進してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
どちらの文例も、廃止の理由をしっかりと伝えながら、今後の関係を大切にする旨を表現しています。
文体や理由の違いを使い分けることで、企業の方針や取引先の状況に応じた柔軟な対応が可能です。
敬意を込めた表現のポイント
年賀状廃止のお知らせでは敬意を込めた表現を使うことに気を配りましょう。
特に、相手に対して感謝の気持ちを表す表現や、従来の関係性を大切にする意図を明確に伝えることで、ビジネスマナーとしても好印象を与えることができます。
具体的には、次のポイントに注意しましょう。
- 「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」など、感謝の言葉を必ず冒頭に入れる。
- 「誠に勝手ながら」「何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」など、謙虚な姿勢を示す言葉を活用する。
- 「本来であれば、従来通りご挨拶を申し上げるべきところ、誠に恐縮ではございますが」など、相手を立てる表現を使用する。
これらの表現を使うことで、年賀状廃止に伴う通知もより礼儀正しく、丁寧な印象を与えることができます。
丁寧な言い回しで感謝を伝える
年賀状じまいのお知らせは、感謝の意を強調することがポイントです。
年賀状は長年にわたる日本の伝統であり、特にビジネスの場ではその重要性が高く認識されています。
廃止の決定に対して取引先に誠実に感謝の意を表し、今後の関係をより一層大切にしたい旨を丁寧に伝えることが重要です。
以下に、感謝の意を強調する言い回しを紹介します。
- 「日頃より多大なるご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます」
- 「長きにわたり温かいご支援をいただき、誠にありがとうございます」
- 「これまでのご厚情に深く感謝申し上げるとともに、今後とも変わらぬご支援をお願い申し上げます」
これらの表現を文中に挿入することで、相手への敬意と感謝をしっかりと伝えることができます。
特に、長期間にわたってお世話になっている取引先などには、感謝の言葉を惜しみなく伝えることで、円滑なコミュニケーションを保つことが可能です。
年賀状じまいを円滑に進めるためのポイント
年賀状を廃止する際には、企業内外でスムーズに対応するためのポイントがあります。
年賀状じまいを円滑に進めることで、取引先や顧客との関係に悪影響を与えることなく、自然に移行することができます。
ここでは、年賀状じまいを成功させるために重要な3つのポイントを紹介します。
・社内外へ通知するタイミング
・取引先への丁寧な伝え方
・年末年始の挨拶方法の見直し
これらのステップを踏むことで、円滑な年賀状じまいが実現できます。
社内外へ通知するタイミング
まず、社内外へ通知するタイミングを適切に設定しましょう。
年賀状じまいを円滑に進めるためには、社内の従業員にしっかりと方針を伝え、全員が同じ認識を持つことが求められます。
また、取引先や顧客に対しても、早めに通知を行い、混乱を防ぐ必要があります。
適切な共有タイミングとしては、以下の点に注意します。
- 社内には夏頃までに通知し、十分な準備期間を確保
- 取引先には11月末~12月初旬に年賀状じまいの通知を行う
例えば、ある企業では、年賀状の廃止を決定した際、まず従業員に対して夏の段階で詳細な説明を行い、年末に向けての準備を徹底しました。
これにより、社内全体で統一された対応ができ、取引先に対してもスムーズに通知を行うことができました。
取引先への丁寧な伝え方
次に、取引先への丁寧な伝え方も押さえておくべきポイントです。
特に、長年の付き合いがある顧客や取引先に対しては、しっかりと配慮した文章を用いることが大切です。
先ほど紹介した文例を参考に、感謝の気持ちや今後の関係性への期待を表現することで、相手に誠意が伝わりやすくなります。
丁寧に伝えるためのポイントは以下の通りです。
- 文面では、謙虚な表現を意識する
- 年賀状の廃止について前もって説明し、突然の知らせにならないようにする
- 引き続き取引先との関係を大切にしたい旨を明確に伝える
例えば、ある企業が取引先に対して年賀状じまいの通知を送った際、「今後も変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます」といったフレーズを使い、相手に対してリスペクトを込めたメッセージを送ったところ、取引先からの理解を得やすかったという事例があります。
このように、感謝と継続的な関係性を示すメッセージが重要です。
年末年始の挨拶方法の見直し
最後に、年末年始の挨拶方法の見直しも年賀状じまいを進める際に検討すべきポイントです。
年賀状を廃止することで、新たな挨拶方法を模索する必要がありますが、これにはメールや電話、直接の訪問など、いくつかの選択肢があります。
挨拶方法を見直す際のポイントは以下の通りです。
- 顧客や取引先ごとに最適な方法を選ぶ(メール、電話、訪問など)
- 年末年始の挨拶は、業務の区切りとして重要視されるため、欠かさず実施
- 社内でも同様に、従業員同士での年始の挨拶を見直す
例えば、取引先が多数存在する大企業では、すべての顧客に年始の挨拶を直接行うのは難しいため、主要な顧客にはメールで、重要な取引先には電話や訪問といった形で、挨拶方法を使い分けています。
このように、顧客ごとの特性を考慮して挨拶方法を決めることで、効率的かつ効果的なコミュニケーションを維持することが可能です。
年賀状じまいを行うにあたっては、これらのポイントを押さえて対応することで、社内外に混乱を与えず、スムーズに進めることができます。
企業にとっては、新しいコミュニケーション手段を見直すきっかけにもなりますので、ぜひ積極的に取り組んでみてください。
企業が年賀状じまいをする理由3つ
企業が年賀状を廃止する理由は、いくつかの観点から考えられます。
ビジネスの場で「年賀状じまい」を行う際、取引先にその背景を理解してもらうことは重要です。
ここでは、企業が年賀状を廃止する主な理由を3つ紹介します。
これらの理由は、企業の戦略や社会的な責任とも深く関わっており、理解を得やすいポイントでもあります。
コスト削減のため
企業が年賀状を廃止する理由の一つに、コスト削減が挙げられます。
年賀状の印刷や郵送にかかる費用は、特に大量の取引先を抱える企業にとっては大きな負担となることがあります。
年賀状じまいを行うことで、以下のようなコストが削減されます。
- 印刷費
- 郵送料
- 年賀状制作にかかる人件費
例えば、年間数千通の年賀状を送る企業では、これらのコストを削減するだけで大幅な経費節減が見込めます。
また、年賀状の準備や発送にかかる業務負担も軽減されるため、業務効率化にもつながります。
具体例として、ある中小企業が年賀状廃止を決断した際、印刷や郵送にかかる数十万円のコストを削減し、その資金を他の顧客サービスに充てたという事例があります。
結果として、顧客満足度の向上とともに、社内の作業負担も減り、従業員のモチベーションも向上しました。
このように、年賀状じまいは単なるコスト削減にとどまらず、企業全体の効率化にも寄与します。
デジタル化の促進
次に挙げられる理由は、デジタル化の促進です。
昨今、多くの企業がデジタル技術を活用して業務の効率化やコミュニケーションの向上を図っています。
年賀状もその一環として、デジタル手段での挨拶へとシフトする企業が増えています。
デジタル化の利点としては、以下の点が挙げられます。
- コミュニケーションの迅速化
- 顧客や取引先とのデジタルツールを使った効率的な交流
- データの管理や追跡が容易
あるIT企業では、年賀状を廃止し、代わりにメールやSNSを活用した挨拶へと切り替えました。
この結果、顧客とのやり取りがリアルタイムで可能となり、コミュニケーションの質も向上しました。
また、メールやSNSはカスタマイズがしやすいため、個々の取引先に合わせたメッセージを迅速に送信できる点もメリットです。
デジタル化の進展に伴い、こうした対応は今後ますます一般的になっていくと考えられます。
環境配慮の視点から
最後に、環境への配慮も年賀状じまいの重要な理由です。
近年、多くの企業が環境保護に取り組む中で、紙の使用量を減らすことが企業の社会的責任としても注目されています。
年賀状の廃止は、次のような環境への貢献につながります。
- 紙の消費削減
- 印刷や配送に伴う二酸化炭素排出の削減
- 廃棄物の減少
特に、環境に配慮した経営を行う企業では、年賀状じまいを宣言することで、顧客や取引先からの評価が向上するケースもあります。
例えば、ある大手メーカーが年賀状を廃止し、その代わりに環境保護活動に寄付を行う旨を公表したところ、顧客からの反響が非常に良かったという事例もあります。
このように、企業としての環境意識の高さを示すことができるのも、年賀状じまいの大きなメリットです。
これからの時代、ビジネスの場でも環境配慮は避けて通れない課題となります。
その一環として、年賀状じまいは企業の社会的責任を果たす手段の一つといえるでしょう。
これらの理由を踏まえて、年賀状じまいを進めることで、企業は効率化や環境への配慮といった面でのメリットを享受できます。
次に、年賀状の代替となるコミュニケーション方法について詳しく見ていきましょう。
年賀状廃止の際の代替コミュニケーション方法
年賀状じまいを決定した企業が次に考えるべきは、代替となるコミュニケーション手段です。
取引先や顧客に対して、従来の年賀状に代わる形で、適切な形で新年の挨拶をすることが大切です。
ここでは、年賀状の代わりに使える3つの代替コミュニケーション方法を紹介します。
・メールによる挨拶の提案
・年末の挨拶状を送る方法
・SNSやウェブサイトを活用する
適切な代替手段を活用することで、取引先とのコミュニケーションを円滑に保つことができます。
メールによる挨拶の提案
まず、年賀状の代替手段として最も一般的なのが、メールによる挨拶です。
ビジネスシーンでは、メールがすでに主要なコミュニケーション手段となっているため、メールを使った新年の挨拶は自然な選択といえるでしょう。
メールでの挨拶の利点として、以下の点が挙げられます。
- 迅速に送信できる
- 一括送信が可能で、時間を大幅に短縮
- 個別のメッセージをカスタマイズしやすい
例えば、ある企業では毎年、取引先への年賀状に代わり、一斉送信メールを活用しています。
メール内には感謝の意と新年の挨拶を込めつつ、必要に応じて個別のメッセージを追加し、取引先ごとに配慮した内容を送信することが可能です。
また、メールのテンプレートをあらかじめ作成しておけば、毎年簡単に更新でき、時間的な負担も軽減されます。
年末の挨拶状を送る方法
次に、年末の挨拶状を送る方法も有効です。
年賀状に代わって、年末の時期に感謝の気持ちを伝える挨拶状を送ることで、取引先に丁寧な印象を与えることができます。
年末の挨拶状を送る際のポイントは、以下の通りです。
- 年末の感謝と共に、来年のビジネスに向けた意気込みを伝える
- 年賀状に代わることを明記し、取引先が違和感を抱かないようにする
- 丁寧な言葉遣いで、長期的な関係性を強調する
例えば、「本年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます」といった文面を使用し、取引先に対して誠実な姿勢を伝えることが大切です。
また、年賀状の代替手段として、この方法は正式な印刷物を使うため、依然としてフォーマルな印象を保つことができるのも利点です。
SNSやウェブサイトを活用する
近年、SNSや企業のウェブサイトを使って年賀状の代わりに挨拶を行う企業も増えています。
特に、企業の公式アカウントを使って広く挨拶をすることは、デジタル時代においては効果的な方法の一つになっています。
SNSやウェブサイトの活用方法には、次のようなメリットがあります。
- 多くの顧客や取引先に一度に情報を伝えられる
- より視覚的でインパクトのあるメッセージが作成できる
- 短時間で多くの人にアクセスできる
例えば、ある大手企業では、X(旧Twitter)やInstagramを使って新年の挨拶を行い、さらに自社のウェブサイトで年始のメッセージを公開しました。
これにより、取引先だけでなく、一般顧客に対しても幅広くメッセージを届けることが可能になりました。
また、SNSを活用することで、取引先からの反応をリアルタイムで受け取ることができ、双方向のコミュニケーションを促進する効果も期待できます。
このように、年賀状じまいをしても、様々なデジタルツールを使うことで、取引先や顧客との良好な関係を保ちながら、効率的なコミュニケーションを続けることが可能です。
まとめ ・年賀状じまいビジネス向け文例!
今回は、企業や法人向けの年賀状廃止のお知らせ方法や、失礼のない文例を紹介しました。
- 年賀状じまい通知文の文例
- 廃止理由の説明
- 代替コミュニケーション案
年賀状じまいでは、丁寧な表現を使い、取引先との関係を大切にしながら、しっかりと感謝の気持ちを伝えるのが大切です。
また、コスト削減やデジタル化を進めるための理由もしっかり理解しておきましょう。
メールやSNSなどを活用した新しい挨拶方法も有効な手段です。
ぜひ、この記事の内容を参考に、取引先に失礼のないよう年賀状じまいを進めてみてください。
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