「えっ、その言葉、失礼に当たるの!?」
ビジネスメールを書いているとき、そんなふうに不安になったことはありませんか?
普段の会話では何気なく使っている言葉でも、メールで使うと「ぶしつけ」「馴れ馴れしい」「上から目線」など、相手に悪印象を与えてしまうケースがあります。
たとえば、「了解しました」はビジネスシーンでは目上の人に対して失礼で、「ご苦労さまです」は部下に対する言葉として認識されるため、上司や取引先に使うのはNGとされています。
また、「お世話様です」という表現も、年配の方には「横柄な印象を与える」と感じられることがあるなど、意外な落とし穴が潜んでいます。
特に最近は、メールだけでなくチャットツールを使ったビジネスコミュニケーションが増えたことで、文面の「軽さ」が問題視される場面も増えてきました。
口語的な表現をそのままメールで使うことで、思わぬ誤解やトラブルを招くことも…。

「敬語のつもりで書いたのに、なぜか怒られた…」
「何がダメだったのか分からないけど、返信がそっけない…」
そんな経験がある方は、もしかすると無意識にNGワードを使ってしまっているのかもしれません。
とはいえ、細かいマナーをすべて覚えるのは大変ですよね。
でも大丈夫!この記事では、ビジネスメールで使ってはいけないNGワードを具体例とともに紹介し、適切な言い換え表現までバッチリ解説します。



「どの言葉が失礼になるのか知りたい」
「正しい言葉遣いで、取引先や上司とのやりとりをスムーズにしたい」
という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ビジネスメールにおけるNGワードとは?
「メールだから、話すときと同じ言葉遣いでいいでしょ?」
――もしそう思っているなら、要注意!
ビジネスメールは、書き言葉としての正しいマナーが求められる場面です。
会話の流れで使っている言葉をそのままメールに書くと、相手に誤解を与えたり、思わぬ失礼にあたったりすることがあります。
NGワードとは?なぜ注意が必要なのか
ビジネスメールでNGワードを避けるべき理由は、大きく3つあります。
- 相手との信頼関係を損なうリスクがある
- ビジネスマナーができていないと思われる
- 文章の印象が軽くなりすぎる
では、なぜこれらがNGにつながるのか、具体的に解説していきます。
① 相手との信頼関係を損なうリスクがある
ビジネスメールは、相手との関係を築く上で重要なコミュニケーションツールです。
しかし、使う言葉によっては、知らず知らずのうちに「失礼」「ぶしつけ」「軽率」といった印象を与えてしまうことがあります。
これを上司や取引先に使うと、「目上の人に使うにはカジュアルすぎる」と捉えられ、場合によっては「無礼だ」と感じられることもあります。
適切な言葉を選ぶことは、相手との円滑な関係を築くために不可欠です。
② ビジネスマナーができていないと思われる
メールの文章は、あなたのビジネスマナーを相手に伝えるものでもあります。
上司や取引先にこの言葉を使うと、社会人としての基本マナーができていないと評価される可能性があります。
また、細かい敬語のミスは、意外と印象に残りやすいものです。
「メールの内容は良かったのに、言葉遣いが気になった」と思われることがないように、適切な敬語表現を意識しましょう。
③ 文章の印象が軽くなりすぎる
「なるほどですね」「大丈夫です」など、普段の会話ではよく使う言葉も、ビジネスメールでは注意が必要です。
こうした表現はカジュアルすぎて、フォーマルな場には不適切。
また、「大丈夫です」は肯定と否定のどちらにも解釈できるため、誤解を招く原因にもなります。
ビジネスメールでは、できるだけ明確で丁寧な表現を心がけることが重要です。
「問題ありません」「差し支えありません」といった表現を使うことで、誤解を防ぎつつ、丁寧な印象を与えられます。
書き言葉と話し言葉の違いに注意
私たちは普段、会話の中で多くの口語表現を使っています。
しかし、ビジネスメールでは「書き言葉」に適した表現を選ぶ必要があります。
例えば、次のような違いがあります。
話し言葉(NG) | 書き言葉(適切) |
---|---|
了解しました | 承知しました / かしこまりました |
ご苦労さまです | お疲れ様です |
なるほど | おっしゃる通りです |
大丈夫です | 問題ありません / 差し支えありません |
わが社 | 弊社 |
○○してもらえますか? | ○○していただけますでしょうか? |
こうした違いを意識するだけでも、相手に与える印象がぐっと良くなりますよ。
特に、取引先や上司に送るメールでは、適切な表現を選ぶようにしましょう。
無意識に使いやすいビジネスメールのNGワード一覧
普段の会話では自然に使っているけれど、ビジネスメールでは不適切とされる言葉が意外と多くあります。
無意識のうちに使ってしまいがちなNGワードと、その適切な言い換えを以下にまとめました。
1.「了解しました」 → 「承知しました / かしこまりました」
「了解しました」は、目上の人に対して使うにはカジュアルすぎる表現です。
代わりに、「承知しました」や「かしこまりました」を使うと、より丁寧な印象になります。
2.「ご苦労さまです」 → 「お疲れ様です」
「ご苦労さま」は、目上の人が目下の人に対して使う表現です。
上司や取引先に対しては、「お疲れ様です」を使いましょう。
3.「なるほど」 → 「おっしゃる通りです」
「なるほど」は、会話ではよく使いますが、ビジネスメールではやや軽い印象になります。
目上の人の意見に同意する場合は、「おっしゃる通りです」とすると、よりフォーマルな表現になります。
4.「大丈夫です」 → 「問題ありません / 差し支えありません」
「大丈夫です」は、肯定と否定のどちらにも解釈できるため、誤解を招くことがあります。
メールでは、「問題ありません」「差し支えありません」と明確に伝えるようにしましょう。
5.「わが社」 → 「弊社」
「わが社」は社内向けの表現です。
社外の相手に対しては、「弊社」が適切です。
逆に、相手の会社を指す場合は「貴社(書き言葉)」「御社(話し言葉)」と使い分けるようにしましょう。
6.「○○各位様」 → 「○○各位」
「各位」は「皆様」という意味を含むため、「様」をつけると二重敬語になります。
「各位」だけで問題ありません。
7.「よろしかったでしょうか?」 → 「よろしいでしょうか?」
「よろしかったでしょうか?」は、過去形を含んでおり、現在の確認には不適切です。
「よろしいでしょうか?」とシンプルに表現しましょう。
8.「宜しくお願い致します」 → 「よろしくお願いいたします」
「宜しく」は旧字体で、現代では「よろしく」を使うのが一般的です。
また、「お願い致します」ではなく、「お願いいたします」が正しい敬語表現です。
9.「お世話様です」 → 「お世話になっております」
「お世話様です」は、年配の方には「ぶしつけ」と感じられることもあります。
「お世話になっております」の方が丁寧で自然な表現になります。
10.「すいません」 → 「申し訳ありません / 恐れ入ります」
「すいません」は口語表現であり、ビジネスメールでは不適切です。
「申し訳ありません」「恐れ入ります」を使いましょう。
11.「○○させていただきます」(過剰使用) → 「○○いたします」
「させていただきます」は、使いすぎると文章がくどくなります。
「○○いたします」とシンプルにすることで、より洗練された印象になります。
12.「お忙しいところ恐れ入りますが」 → 「お手数をおかけしますが」
「お忙しいところ〜」は相手の状況を勝手に決めつける表現になるため、控えたほうがよい場合もあります。
「お手数をおかけしますが」の方が、より丁寧で無難です。
13.「取り急ぎ、ご連絡まで」 → 「まずは、ご報告まで」
「取り急ぎ」はカジュアルな印象を与えがちです。
「まずは、ご報告まで」とすることで、フォーマルな印象にできます。
14.「お返事お待ちしております」 → 「ご返信いただけますと幸いです」
「お返事お待ちしております」は、相手に対して催促しているように感じさせることがあります。
「ご返信いただけますと幸いです」の方が柔らかい表現になります。
15.「○○になります」 → 「○○です」
「○○になります」はビジネスシーンでは不自然な表現です。
「○○です」とシンプルに伝えるのが適切です。
普段何気なく使っている言葉の中にも、ビジネスメールでは適切でない表現が意外と多いことが分かります。
これらのNGワードを避け、適切な言い換えを習慣づけることで、よりスマートで印象の良いメールを作成できるようになりますよ。
特に、目上の人や取引先とやりとりする際には、「丁寧すぎず、でも軽くなりすぎない」バランスの取れた表現を意識してみてくださいね。
「伝わればOK」ではなく、「どう伝わるか」を考えることで、円滑なビジネスコミュニケーションにつながります。
なぜこれらの言葉はNGなのか?
先ほど紹介したNGワードの多くは、普段の会話では違和感なく使われています。
それなのに、なぜビジネスメールではNGとされるのでしょうか?
主な理由は以下の3つです。
- 目上の人に対して失礼にあたる
- 誤解やトラブルを招く可能性がある
- フォーマルな場にふさわしくない表現だから
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
目上の人に対して失礼にあたる
ビジネスメールは、社内外の様々な立場の人とやりとりするツールです。
そのため、相手に対して適切な敬語を使うことが求められます。
例えば、「了解しました」はフランクな印象が強く、目上の人に使うと失礼とされます。
代わりに「承知しました」「かしこまりました」を使うことで、より丁寧な印象を与えることができます。
また、「ご苦労さまです」は、目上の人が目下の人にかける言葉なので、上司や取引先には「お疲れ様です」を使うのが正解です。
こうした言葉の選び方ひとつで、相手への敬意が伝わるかどうかが変わります。
誤解やトラブルを招く可能性がある
ビジネスメールでは、「誰が読んでも誤解なく伝わる表現」が重要です。
しかし、NGワードの中には、曖昧な表現や解釈の分かれる言葉が含まれています。
例えば、「大丈夫です」は肯定にも否定にも取れる言葉です。
メールで「このスケジュールで大丈夫です」と送った場合、「問題ない」という意味なのか、それとも「スケジュールが厳しいけど何とかなる」という意味なのかが不明確です。
「問題ありません」「問題がございます」など、具体的な言葉に置き換えることで、誤解を防ぐことができます。
また、「なるほど」という言葉も、目上の人に対して使うと「理解はしたけど納得していない」と受け取られることがあります。
「おっしゃる通りです」「勉強になります」など、よりポジティブな表現に変えることで、より円滑なコミュニケーションが可能になりますよ。
フォーマルな場にふさわしくない表現だから
ビジネスメールは、正式な文書として扱われることが多いため、口語表現をそのまま使うのは避けるべきです。
特に、「○○になります」はビジネスシーンでは不自然な表現とされています。
「○○です」とシンプルに言い切る方が、プロフェッショナルな印象を与えますよ。
また、「取り急ぎ、ご連絡まで」といった表現も、カジュアルな印象を与えるため、「まずは、ご報告まで」といったフォーマルな言い回しに変えることで、ビジネスメールにふさわしい表現になります。
ビジネスメールの適切な言葉遣いを身につけるコツ
NGワードを避けることは大切ですが、それだけでは「丁寧だけどぎこちないメール」になってしまうこともあります。
ビジネスメールでは、単に敬語を使うだけでなく、適切なトーンや伝え方を意識することが大切です。
では、どのようにすれば自然でスマートなメールが書けるのでしょうか?
シンプルかつ丁寧な言い換え表現を覚えよう
適切な言葉遣いの基本は、「シンプルで分かりやすい表現を使うこと」です。
過剰にへりくだったり、長々とした敬語を使ったりすると、かえって不自然になってしまいます。
例えば、以下のような表現は不要に長くなりがちです。
NG:「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。」
OK:「お手数をおかけしますが、ご確認お願いいたします。」
同じ意味を伝えつつ、簡潔で伝わりやすい表現に変えています。
特に「~させていただきます」を多用すると文章がくどくなりがちなので、「~いたします」に置き換えることを意識しましょう。
メールの印象を左右する『結びの言葉』
ビジネスメールでは、最後の一文が相手に与える印象を大きく左右します。
どれだけ丁寧な内容を書いていても、結びの言葉がそっけなかったり、逆に過剰にへりくだっていたりすると、相手に違和感を与えてしまうこともあります。
例えば、「よろしくお願いいたします。」は定番のフレーズですが、使い方によっては冷たく感じられることも。
そこで、場面ごとに適切な結びの言葉を使い分けるのがポイントです。
状況に応じた結びの言葉の使い分け
結びの言葉は、メールの内容や相手との関係性によって適切な表現が異なります。
同じ「よろしくお願いいたします。」でも、シーンによっては事務的すぎたり、冷たい印象を与えたりすることがありますので、相手に配慮しつつ、柔らかく伝わる表現を選ぶことが大切です。
以下、具体的な状況別に適切な結びの言葉を紹介します。
依頼やお願いをするとき
依頼メールの結びでは、「一方的な押し付け」ではなく、「相手の負担を配慮している」ことが伝わる表現が望ましいです。
NG:「よろしくお願いいたします。」(事務的で温かみがない)
OK:「お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。」
さらに丁寧にしたい場合は
- ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
- お手数をおかけいたしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
返信を待つとき
返信を促す際の結びの言葉は、催促にならないよう柔らかい表現を選ぶようにしましょう。
NG:「お返事お待ちしております。」(プレッシャーを感じる人もいる)
OK:「ご返信いただけますと幸いです。」
さらに配慮を加えたい場合は
- お忙しいところ恐れ入りますが、ご都合のよい際にご返信いただけますと幸いです。
- お手すきの際に、ご連絡いただけますと幸甚に存じます。
感謝を伝えるとき
感謝の気持ちを表すときは、相手との関係性や状況に応じた適切な表現を選びましょう。
NG:「ありがとうございます!」(カジュアルすぎる)
OK:「このたびは誠にありがとうございます。」
さらに丁寧にしたい場合は
- お力添えを賜り、心より御礼申し上げます。
- 日頃よりお世話になり、深く感謝申し上げます。
今後のやり取りを円滑にしたいとき
メールの最後に、「引き続きよろしくお願いいたします。」をそのまま使うのではなく、相手との関係性に応じて少し工夫すると、より印象がよくなります。
NG:「引き続きよろしくお願いいたします。」(悪くはないが、ありきたり)
OK:「今後とも変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。」
他にはこんな書き方も
- 引き続き、ご指導のほどよろしくお願いいたします。(目上の人に対して)
- 今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。(フォーマルな表現)
結びの言葉は、メール全体の印象を決める重要な要素です。
「とりあえずよろしくお願いいたします。」と機械的に書くのではなく、「相手がどう感じるか?」を考えて表現を選ぶことが大切です。
少し表現を工夫するだけで、より丁寧で温かみのある印象を与えることができますよ。
送る相手や状況に合わせて、適切な結びの言葉を選びましょう。
ビジネスメールで好印象を与えるポイント
ビジネスメールでは、適切な言葉遣いだけでなく、全体の構成やトーンも相手に与える印象を左右します。
丁寧な表現を心がけていても、伝え方次第では冷たく感じられたり、逆に回りくどくなってしまうこともあります。
好印象を与えるためには、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
文面のトーンを統一する
メールの印象は、言葉遣いだけでなく全体のトーンによっても大きく変わります。
たとえば、冒頭で「お世話になっております。」と丁寧に始めているのに、本文で「了解しました。」のようなカジュアルな表現を使ってしまうと、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。
文面全体のトーンを統一するために、以下の点を意識しましょう。
- 文体は「です・ます調」で統一する
- 砕けた表現とフォーマルな表現を混在させない
- 「〜させていただきます」などの敬語を乱用しすぎない
メールを送る前に、文全体を読み直し、トーンが統一されているかを確認することが大切です。
誤解を招かない表現を選ぶ
適切な言葉遣いを意識していても、表現が曖昧だと相手に正しく伝わらないことがあります。
特に、以下のような表現には注意が必要です。
- 「大丈夫です」
- 肯定とも否定とも取れるため、「問題ありません」「差し支えありません」と明確に伝える
- 「後ほどご連絡いたします」
- 具体的な時間が分からず、相手を待たせる可能性があるため、「本日15時までにご連絡いたします」と具体的に伝える
明確な表現を心がけることで、誤解を防ぎ、スムーズなコミュニケーションにつながりますよ。
ビジネスメールでは、何気なく使った言葉が誤解を生んだり、相手に失礼な印象を与えたりすることがあります。
特に、目上の人や取引先とのやり取りでは、言葉の選び方ひとつで関係性が変わるため、慎重に表現を選ぶことが大切です。
NGワードを避けるだけでなく、適切な表現を意識すると、メール全体の印象が大きく変わります。
文面のトーンを統一し、相手に伝わりやすい言葉を選べば、やり取りもスムーズに進みますよ。
まとめ
ビジネスメールでは、何気なく使った言葉が誤解を生んだり、相手に失礼な印象を与えたりすることがあります。
特に、目上の人や取引先とのやり取りでは、言葉の選び方ひとつで関係性が変わるため、慎重に表現を選ぶようにしましょう。
NGワードを避けるだけでなく、適切な表現を意識すると、メール全体の印象が大きく変わります。
文面のトーンを統一し、相手に伝わりやすい言葉を選べば、やり取りもスムーズに進みますよ。
メールは単なる連絡手段ではなく、相手への配慮や誠意が伝わるものです。
少しの工夫で信頼感を高めたり、より円滑なコミュニケーションにつなげたりすることができます。
日々のやり取りを振り返りながら、伝わる表現を身につけるために、ぜひ参考にしてみてくださいね。